「あ、あぁ、愛、乃…?」

愛乃の様子がおかしかった。
本当に、左目しか見えなかったが生気がない目で死体をみて笑ったかと思うと、叫び声をあげて階段の方へ走っていってしまった。
私には、この事件が他殺だとしか思えない。
さっき、ミステリー小説じみた手帳を読んでいたのだけれど、状況が酷似していた。まるで何かのホラーゲームのよう。
ミステリー小説じみた手帳というのは、私が物置部屋で拾ったものである。
表紙は酷くボロボロだというのに、中身は本当に新品だと疑うくらいに綺麗な状態だった。
内容はこうだ。

ある男女の高校生四人が、事件に巻き込まれて謎の怪死を遂げる。犯人は、その男女の高校生四人の中にいた。
一人は目を潰され、
一人は口が裂けて、
一人は息を絶やし、
一人は燃え尽きた。
とても内容が凄惨だったけど、ありえなさそうであり得そうなあたりに惹かれた。愛乃が好きそうなので、今度見せてあげたい…が、それももう叶わないだろう。



そんな未来が酷く悲しかった。