はぁー…中学って、嫌だ…。


想像と違って、
イライラする事ばっかり。


人と浮いているから、
イジメられた事もある。


それに、今だって
別の奴にイジメられているし。


…なんなんだろ、弱い奴をイジメて、
優越感にでも浸っているのだろうか。


それとも…
私の反応が面白いからとか…?


中庭に咲く花を、チラリと見下ろす。


たくさんの花は…
とても可憐で、幸せそうに見えてくる。


良いな…。


休み時間まで、あと二十分ほど…
もうすぐ、悪魔の時間がやってくる。


想像するだけで、
お腹がキリキリと痛んだ。


…嫌…もう、嫌だ。


シャープペンシルを手に持つと、
ザグッと


「…え…名山さん?
 名山さん、何をしているの!?」


手の甲に突き刺した。


ズキンズキンと
痛みの波が引いては押し寄せてくる…
生を実感した。


机の上に血溜まりができていくのを
見ると、安心する。


先生が騒いでいる。


良かった…あの地獄は、
今日は体験しないで良いんだなって…
思えた。


…保健室に行って、
包帯を手の甲に巻かれた。


病院に行くほど深くは
突き刺していないから、それだけ。


…窓から抜け出して、中庭に出た。


花はきっと、幸せな人のために咲く。


だって、私には…とても、
疎ましく見えるから。