空は、
赤と青と黄色に染まっていた。
青い空…
薄く群青色を溶かしたような
夕方の青空に、
赤い夕陽に照らされた雲…。
そして…
青空と雲の狭間に見える…
黄色いような、金色の月。
——こんな風景、
今まで見た事がなかった。
…どこか神秘的で…
私には——笑っているように見えた。
ただ、楽しく…アハハ、と。
まるで、昔のアタシみたいに。
「…!」
…そうだ、空だって、雲だって…
月も、笑ってるじゃないか。
絶対にこれから
良い事があるんだろう…。
信じる事が、できる。
半端に荒んだような心が
落ち着いていく。
…また、
バイト探しでも頑張ろうかな。
ちょうどタカシに
嫌気が差していたから、
良いきっかけになったのかも。
青空に浮かぶ月に、
赤い雲がかかる様子は、
とても不思議で…どこか綺麗。
アタシは、立ち上がり服をはたくと、
自転車を起こして。
また、漕ぎ始めた。
そういえば、今 夕方じゃんか!
急いで帰って、
バイトでも探そうか。
不思議な事もあるもんだ。
アタシは月に背を向けて、
自転車を進めていく。



