短編集‥*.°




彼氏に振られた時の会話といえば、
とても悔しいモノだった。



「ねぇ、タカシ…
 あんた…浮気してるよね」



「…は?なに言ってんだよ?
 …あー、もしかしてサヤの事?」



「…髪の毛の短い子だよ。
 …アタシと違って」



「まあね。
 ミズキと違ってキスが上手いし、
 なにより…癒されるからねー」



「認めるの?最低じゃん!なんなの?
 アタシと付き合ってんじゃ
 なかったの?」



「あ?別に。お前に告られて、
 セフレにしようかと思ってたけど…。
 ミズキ全然させてくれないじゃん。
 だから別に良いか、と思って。

 サヤは何回でもさせてくれるし…。
 サイコーだよ」



「あんた…っ、最低!別れるから…!」



「ん、別に良いぜ。
 お前の顔好みじゃないし。
 ほら、この子がサヤだよ」



そう言って、
携帯の写真保存アプリの中の一枚を…
見せてきた。



確かに、アタシとは違って、
女の子らしくて…可愛かった。



「可愛いだろ?
 お前もそこそこ良いけど。んじゃ」



セフレにしようか…
キスが上手いし…
癒されるから…
お前の顔好みじゃないし…。



あのあと、何度も何度も頭の中で
タカシの声がリピートされた。



要するに…アタシは欠陥、
サヤって子は使い勝手の良い
人形って事。



赤く染まった雲を見て、ふと、
そのサヤって子が可哀想に思えた。



アタシ自身も、惨めに見えた。