蒼樹くんのお家にお邪魔すると蒼樹くんはスタスタとどこかに行ってしまった


「置いていかないでよ…」


勝手に玄関より先に行ってしまうのも気がひけるし…とりあえず靴だけは脱いでおこうかな

座って靴を揃えていると視界が何かによって遮られた


「…これ」


渡されたのはタオルだった


「少しは濡れただろ?」

「ありがとうございます」


少しだけ濡れたけどまさかタオルを出してくれるなんて思わなかった


「そんな所にいると風邪ひくぞ」


だって勝手になんて入れないじゃん…


「早く来いよ」

「失礼します」


辺りを見回すとそこは結構片付いていた


「結構片付いてるんですね。男の子ってもっと散らかすのかと思ってたけど…」

「男の中にも綺麗好きな奴は山ほどいる」


最後の独り言を聞かれたみたい

案外耳がいいらしい


「そうですよね…」

「それより早く拭け。着替えは俺のでもいいか?」


着替えまで貸してくれるの?

やっぱり蒼樹くんは優しいんだな


「はい,ありがとうございます。
シャワーお借りしてもいいですか? 」

「あぁ、着替え洗面所置いとくな。」

「ありがとうございます。シャワーお借りします…」


あれ? ちょっと待て

私…下着持ってないんだけど


「あの…コンビニ行ってきてもいいですか? 」

「どうした?」

「下着持ってなくて」

「…あぁ、そうだったな。コンビニならこのマンションの1階についてるぞ」


うっわ,すっごーい

やっぱり高級マンション


「行ってきます」