「ちょ,ちょっと離して! ご飯食べないで午後の授業とか辛すぎるんだよ! 」

「心配ないよ」

「ありまくりだわっ」

「わかった,私のお弁当あげるから」

「本当? それなら…」

「ただし一口」

「…っ離して! 」


こうしている間にも時間はなくなってく…

もう我慢するしかないのかな?

せめてパンだけでも買わせて欲しかった

諦めて聖奈に引っ張られるままついていく

周りを取り囲んでいるのは…先輩?


「先輩しかいないって! もう帰ろうよ」

「帰るわけないでしょ? この目でどんな人なのか確かめなきゃっ」

「じゃ私ここにいるから見てきなよ」

「……」


聖奈の目がジィー…っと私を見つめる


「な,なに? 」

「逃げる気でしょ? 」

「そ,そんな事しないよ! 」


ウソ

本当は聖奈の言う通り逃げようとした

でも先に言われちゃったから逃げる事はできないし…

仕方なく聖奈を送り出した


壁に背中をつけて聖奈を待っていると…


「未來っ‼︎ 」


デカい声で名前を呼ぶ声が聞こえた