「すいません。人違いみたいです」

「君、今日なんのためにここに?」

「テレビの観覧です」

「誰が出るテレビ?」

「橋本蒼樹くんです」

「好きなの?」


なんでこの人こんなに聞いてくるの…?

不思議に思いながらもオドオドしながら質問に答える


「は,はい…」

「ふーん」


私の顔をじっと見つめるその人


「あの…何か付いてますか?」

「わからないんだ」


は? …会話が噛みあってないんだけど

なんか怖いこの人

身の危険を感じスタジオに戻ろうとする


「あ,あの私急いでるので失礼します! 」

「まだ大丈夫だよ、急がなくて」


もう話す事はないだろうと思っていたのにすぐに呼び止められた

今度はなに…?

ゆっくりと後ろを振り返るとこっちに歩み寄ってくる


「君、名前は?」

「は? 」


なんで私の名前を誰かもわからない人に教えるしかないわけ?

さすがにやられっぱなしだといけないと思い反抗する


「どうして教えるしかないんですか? 」

「しいて言うなら俺が気になるからかな」


この人俺様みたいなやつ?