マジかよという顔をして私を見つめる蒼


「未來っ! どういうことなのっ⁉︎」


鼻息を荒くして私に寄ってくるお母さん。

私から説明した方が早いかな


「あの,驚かないでよ?
実は私達3年前から付き合ってるの」

「付き合ってる…? 」


まだ頭がうまく回転していない様子で

そりゃそうだよね。突然芸能人が家に来たと思えば娘と付き合ってるなんてね…


「そうなの,付き合ってるの! それでね?
私達,結婚したいって思ってるの」

「結婚…結婚っ⁉︎ 」

「うん」

「結婚のご挨拶にこちらにお伺いしました。
遅くなってしまい申し訳ありません。
本当ならもっと早く挨拶しなくてはいけないものを。」

「いえ…こちらこそ…礼儀正しいんですね」

「いえ」


意を決したように顔を向けるお母さん


「…未來,私はあなた達の結婚賛成よっ!
心の底から祝福するわ! いい家庭を築きなさい! 」


「「…ありがとうございます…」」


お母さんの気迫に押されたけど結婚の承諾は貰えた


「後はお父さんね。お父さんは私から言っておいてあげるから心配しないで」

「…ありがとう」

「いえ、お父さんにも挨拶をしようと思っています。娘さんを頂くんですから」

「そうね! じゃあ2人ともこれからがんばりなさい! もう遅いわね…未來,蒼樹さんを送ってきなさい! 」

「はい…」

「あっ、お母さん。
僕の本名は橋本蒼と申します」

「あらやだ‼︎ 蒼くんを送ってきなさい? もう暗いんだから」

「わかった」

「それでは失礼します。後日また伺います」

「はーい! いつでもいらしてくださーい 」