「よくこんなめんどくさいこと続くよなぁ。俺はそろそろ飽きてきた」

そう言う隼人は呆れ顔で自転車にまたがった。

「後ろ乗れよ。もうこんな時間だし、親も心配してるだろ」

私は、ペットボトルを自転車のカゴの中に入れ後ろに座った。

「ありがと…」

小学生の時とかよく2人乗りしたけど、
あれ?なんか…。
こんなに背中大きかったっけ。

「なんか静かだな。どうした?」
「ん?なんでもないよ。ただ、こういうの久しぶりだなって」

…なんか緊張してきた。

「今日は、ひなたがいるから寒くないな」

こいつは!!くすぐってやる。

「おっおいっ!!やめろって!!!ちょっっ…。
おまっっ、落とすぞっっ」

自転車は坂道に入り、右へ左へ落ちそうになりながら坂道を下った。