「よし、夢空、窓の鍵OKだよ。」







「ほんと?ありがとう、夏芽。助かった。」









今日、日直だった私。








移動教室の度に、窓とドアの鍵を閉めなきゃいけないんだけど手伝ってくれた夏芽に、手を合わせてお礼を言う。








「いえいえ〜!ほら、行こ!」







夏芽に手を引かれるがままに教室の外に出ると、彩と渚沙が廊下で待っていてくれた。








それだけで、…安心してしまう。









…あの後、改めて謝ってきた2人に、私の方も2人のことを大切に出来なかったことを謝った。









お互いにいつも通りでいるっていう条件で、認め合ったんだけど…、









なんだか前よりもずっと、彩と夏芽は相手のことを考えるようになってくれたみたいで、時にすごく優しくて、ついついにやけてしまうくらい嬉しい。








…本当、ここ数日でみんな驚くくらい変わったな。








渚沙も一緒に私達といるようになって、4人で被服室までの道を歩く。










「家庭科って、今日なんだっけ?…あれ、まさか調理実習?」







「…………やばくない?」









私の言葉に、みんなで顔を見合わせる。









…え、調理実習って、エプロンとか付けたり案外早めに行かなきゃいけないよね?








「走るよ!」






「え、ちょ!夏芽!ここ廊下だから!!」






「そんなん構ってられるか!!ほら、渚沙と夢空もはやく!!」








振り返った夏芽に、彩と呆れたように笑いながら私達も走り出した。