「そんなこと言ってないでしょっ!?」







「そう言ってるように聞こえるの。」







「…っ、あんた大体クラスを敵に回したくせに何を言うの!?みんな、言ってあげてよ、夢空はこのクラスに要らないって!!」








理緒が辺りを見回すとみんなが怯えるようにピクッと体を強張らせた。










ターゲット探し、だ。しかも今回はセリフまで決められている。










うんざりした気持ちになって、はあ、とため息をつくと理緒が鋭く睨んできた。








「そういうの、やめなよ。クラスのみんなを怯えさせて、言わせて。それで満足?それで楽しいの?」









「…はあ?私はクラスのみんなの本心を夢空に教えてあげてるだけなんだけど?私のどこがクラスのみんなを使ってるように見えるわけ?」









眉間に皺を寄せて腕を組みながら言う理緒は不機嫌そのもの。









…私は、強くなんてないよ。







弱いんだ、ずっと。







1人で立ち向えるほど、完璧でもない。








…だったら、共に戦う仲間を。









ひとりなんかじゃなくて、一緒に歩める仲間を集おう。











「…正しいことを正しいっていうのがそんなに、ダメなの?」








「…は?何言ってるのよ!?」









違う、私は理緒に言っているんじゃない。







クラス全体に言っているんだ。









「ねえ、誰かに嫌われるのがそんなに怖いの?自分を守るために気持ちを押し込んで無理やり見て見ぬ振りするのがそんなに大切なの?」









呆気にとられている理緒の奥にいる渚沙を見て、教室全体に響くような大きさの声で訴える。