左手で頬を触ると、固まったクラスの空気の端の方で萎縮しながらもこっちを見ている渚沙と目が合った。
そんな時、…昨日の琉空の言葉を思い出す。
『今度は自分が夢空を助けたいって。』
……ねえ、渚沙本当にそう思ってくれている?
『…変えられるよ、夢空が強く望めば。』
もし、そう思ってくれているのなら、
…私はまたこのクラスを変えたいって、強く望めるよ。
それに私は、本当は知らないことだらけなんだ。
あんなに冷たいと思っていたお母さんが温かかったことも昨日初めて知った。
……だからこそ、このクラスをもっともっと知りたいと思う。
そしたら、家でやっと居場所が見つかったように、クラスでもきっと見つけられる気がするから。
「あんた本当、ムカつく!!私に逆らっといて何ノコノコ学校来てんの!?」
「……だから?」
大声で叫ぶように言う理緒に乾いた笑いを浮かべると、クラス全体が凍った。
「は、はあ…?!だから、って何!?」
「そのまんまの意味。理緒に逆らっちゃ、そんなにダメなの?私がムカつくのは自分の言いなりにならないから?」
真っ直ぐ理緒の目を見ると、怒りで赤く染まった顔が見える。
……変えるよ、私はこのクラスを。


