結衣と話しながら学校までの道を歩くと、案外すぐに校舎が見えて。








生徒玄関で1階の教室に行く結衣と別れて、3階へと向かう。









階段をのぼる一歩一歩が昨日よりもずっと軽い。









昨日はそのまま沈んでしまうんじゃないかってくらい重かったのに。










階段を上りきって自分の教室へ廊下を歩く。









声が聞こえて、ほとんどみんなが揃っているのかな、なんて察した。










ドアを開けて私が入った途端、真ん中にいた理緒が口角を上げたのが見えたけれど無視して自分の席に無言で近づく。








「あれれー、昨日ので結構効いたと思ったのにー、まだ学校来るんだねっ、夢空も精神図太いんだねっ!」








誰かの机に座って、わざとらしく高い声を出して言う理緒の声を聞きながらも、立ちっぱなしのまま鞄から教科書を出したりして、荷物の整理する。








「あー、そっかあ。夢空って意外と空気読めないんだね?じゃあね、遠慮なく言ってあげるよ、学校来んな。みんなそう思ってるから。」








嫌味のような言葉すらも無視し続けていたら、さすがにイラッときたのか理緒が目の前に来て、パンッ、と音を立てて平手で私の左頬を叩いた。







…なんか、いつかの渚沙も叩かれてたような。









怒るとすぐに手を出す癖はやめたほうがいいと思うけど。