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「夢空、結衣、行ってらっしゃい。」
「うん、お母さん行ってくるね!」
「…行ってきます。」
次の日、結衣と一緒に家を出る。
バレー部に入部したばかりの夢空は、まだ病み上がりってこともあって朝練がないみたいで、ちょうど学校に行くタイミングが被った。
…お母さんも、一緒に行ってきなさい、って言ってくれたから2人で歩き慣れた道を進む。
「お姉ちゃんに、お母さんちゃんと話せたみたいで良かった。」
隣でニコニコしながらまるで踊るように振り向いた結衣に、私も笑いかける。
…今日は朝から「おはよう」って挨拶をしてくれたり、結衣だけじゃなくて私の分のご飯も用意されていて、3人で朝食を食べた。
他人からしたら小さなことすぎてバカにされてしまいそうだけど、
それでもまた堪えないと涙がまた溢れてしまいそうなほど嬉しかった。
お母さんも昨日お互いに本音で話せたからか、少しずつ私と自然に接せられるようにしてくれているいみたいだ。
「結衣、クラスはどんな感じ?」
「んー、まだあんまりクラスに馴染んだわけじゃないけど、みんな優しいよ?明るくて元気いっぱいのクラスかな?」
歩きながら何気なく質問すると、首をこてんと傾げながら答えてくれる結衣に安堵する。
いいクラスそうで、良かった。
…結衣がもしクラスで悩んでいたなら力になりたいとは思うけど、平和であることに越したことはないしね。


