目を少し見開くと、微笑んだ琉空が言葉を紡ぐ。







「…夢空はただ、誰かに愛されたかったんだね。……でも、だったら夢空はもっと自分を大切にしな。愛してあげな。愛していいよ、大切にしていいよ。」








「でも…完璧じゃない私なんて誰も、必要としてくれないっ…」







「…完璧じゃなくてもいいんだよ、夢空は夢空だから。どんな夢空でも見てくれる人は必ずいるよ。何でも背負いもうとしないで。完璧なんかじゃなくて大丈夫。夢空は十分頑張ってる。」








…何で、琉空はそう言うことを言うんだろう。








『完璧じゃなくてもいい』








たったそれだけの言葉がスッと心に落ちて。







何もかもが溢れ出して安心して、力が抜けるような。









ただ認めてもらえるだけで、こんなにも…涙が零れる。










「それに、夢空は弱さを見せたって大丈夫だよ。弱さをわざわざ隠さなくていいんだよ?…弱さを隠してる強い人に誰も救いの手が必要なんて思わない。弱さを隠すことが強いわけじゃないから。涙を見せるのは恥ずかしくなんてない。泣いたって誰も咎めないよ。」










いつの間にか立って私の隣に座った琉空が、あやすように私の頭を撫でる。









琉空の温かい空気が、言葉が、また余計に涙を誘う。










「…意味があるとかないとか、そんなの夢空がこうしたいって決めたことなら正直関係ないよ。変えたいと思ってした行動に意味とか理由なんて必要ないから。」







「…でも私、正しい答えとか大人じゃないから全然わかんなくてっ、…大人になろうって必死で言い聞かせてもこれっぽっちも、正解なんてわかんないの…っ」









「…それでいいんだよ、だって俺たちまだ子供だもん。間違ったらやり直せばいいよ、もがいたって足掻いたって、子供なりのやり方でいいじゃん。」










どうしてだろう、琉空が言うと、自然に安心して、どうしようもなく涙が止めどなく溢れて。










何もかもを包んで、支えてくれる。