「変わりたいと望んで、変わらない世界に嘆いて。それでも、こんな私でも何かが変えられるって信じてた。…でもね、何も変わらなかったよ。」









目の前の闇のような黒いテレビの中の私は虚ろな目をしていて、嘲笑うように口角を上げると、近くの琉空が驚くように息を吸ったのを感じた。









「クラスも、いじめのターゲットが私に代わって、逆にエスカレートさせただけだった。…ある子にも言われちゃったんだ、薄っぺらい期待なんかで動かないで、って、何も変わるはずがないんだから、って。」









琉空が申し訳なさそうに目を伏せて、下を向く。








…琉空のせいなんかじゃないんだけどな。










「…今日さ、あの絵まで切り刻まれて壊されてたの。」








「…え、あの夢空が描いてたやつ…?」







「…ごめんね、琉空完成楽しみにしてくれてたのに。」











琉空の質問に肯定の意味を込めて、そう言うと顔を苦しそうにしかめた琉空と目が合う。









「そんなの、ひどすぎる…っ」








「ほんと、そうだよね…。…でもね、その瞬間分かったよ。…私には何の意味もないって。…私の努力も決意も覚悟も、何もかも意味なんて少しもなかった。」