涙色の空をキミに。









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「高っ…」








「んー?そうかなあ。」









琉空に連れてこられたのはこの辺りでは結構高級に分類されるであろうマンションだった。











ほぼ首を真上に上げないと最上階が見えない…。











戸惑う私の隣で、琉空が呑気に笑いながらマンションの敷地外にあるインターホンのようなものを操作して中に入る扉を開けてくれた。








「…ありがとう。」








「エレベーターこっちだよ。」










前を歩く琉空について行きながら、控えめに周りを見渡す。









中庭みたいなものもあって、植物がたくさんあったり、温かい光の照明が所々にあったり、まるでホテルのロビーみたい。









…まさか、琉空ってお金持ち…?










当然のように浮かんだ疑問を抱えながらもエレベーターに乗り込んだのを見て、慌てて私も後に続いた。








14、という文字を押すのを見て、14階に住んでるのか…、なんてぼんやり考える。










ていうか、こんな夜にお家に私が行って平気…なのかな。










「…琉空、家の人とかって、大丈夫なの?」








「あー…、うん。今は出かけてるから気にしなくていいよ。」










ほんの少しだけ困ったように微笑んだ琉空に、やっぱり迷惑だったかな…って少し思う。











クラスメイトの女子をいきなり家に上げていたら、帰ってきた時に親も驚くもんね…。











それでも、琉空が家に呼んでくれて良かった…。











あのままだったらきっとまだ大雨の中にいて、ぼーっとしていたかもしれない。