廊下の窓に映る、今にも泣き出しそうな曇りの空を眺めながら、











引きずるように、美術室に足を進める。









あれから2日、どんどんエスカレートしていくいじめに、誰にも何も私の姿なんて相変わらず見えてなくて。











繰り返される罵倒にも何も感じてない割には、












心だけが傷を負ったように痛くて、滲んだ。











琉空が心配そうに私のことをいつも気遣ってくれたけど、同情なんてして欲しくないから、曖昧に笑うしか出来なくて。











いつから、上手く笑えない前の自分に戻ってしまったんだろう。










「…開いてる?」










いつも鍵が閉まっているはずの美術室が開いていることを疑問に思いながらも、中に入って荷物を下ろす。









…そんな状況でも、絵だけは描けたから。









大好きな大好きな理想の世界。









もう、そろそろ完成しそうだね、なんて琉空も楽しそうにしてくれていたな。










キャンバスを取り出そうと、絵の具を手に持ちながら準備室に向かった瞬間、違和感を感じる。










いつもは私と先生以外開けないから閉まっている準備室のドアもほんの少し開いていた。











……なんか、嫌な、予感がする。