涙色の空をキミに。










今日も美術室に来た琉空と、話しながら絵を描いたのに頭に浮かんでいたのは夏芽の言葉だけで。









何か言いたそうな琉空に気付いたけど、わざとクラスの話題は避けて他愛ない話しかしなかった。










……そうしないと、何か弱い部分が出てしまいそうで。











私が決めたくせに弱音なんて吐きたくない。









涙、何てなおさらだ。









と言っても心の中では沈んで泣き叫びたい割に、顔の表面では乾ききって涙はこれっぽっちも出そうにないけど。










「…私って、…何の意味があるんだろう…」











ボソッと呟いたところで余計虚しさが胸を貫いただけだった。










私がいてもいなくても、あのクラスもこの家もきっと何も変わらない。










…私は、いる意味があるの?










私の決意も行動も全く意味がなかった?










『そんな薄い希望なんかで何で変えられると思うの!?』










夏芽の言葉がずっとまるで耳のそばにいるように繰り返し聞こえる。









……違う、薄い希望なんかじゃ、ない、のに…。