涙色の空をキミに。










───────────────……









がシャン、と鼓膜が震える音がして、倒された落書きだらけの机を見る。










土日を挟んだ月曜日の昼休み、どうやら理緒の怒りに限界が来たらしい。











…だから、月曜日になるのが憂鬱だったのに。










「何なの、自分だけいい子です痛くも痒くもありませんって顔して?私のこと馬鹿にしてんの?」









何でそうなるの。









机に落書きとか罵ってきたりとか、どう反応すればいいのかわかんないし、中3にもなって少し幼くない?









そんなこと言ったら火に油を注ぐだけだから一応今は黙っておく。










「なんか言ったらどう?……ああ、あんたも渚沙と同じ?私が怖いの?今更止めなきゃ良かったぁ〜…って後悔してんの?ならマジウケるんだけど。」










一方的に喋り続ける理緒の言葉に呆れすぎて今にもあくびしそうなんだけど。









その代わりに小さくため息をついてしまって、ハッとする。










案の上、顔を上げると、理緒が私を睨んでいた。









…結果的に余計怒らせたようだ。









「もう本当うざい!お前のそういうとこ!!ねえ、そう思わない!?」











理緒がそう言うと辺りをキョロキョロと見渡し始めた。











ああ、ついに今まで関与してこなかった理緒軍団以外が私に攻撃を始めるらしい。












私の席の近くで騒ぐ理緒と、それを遠巻きに隅に散らばってみているクラスメイト。











理緒の合図を見て、全員が身体を強張らせたのがわかった。