「それに琉空が私の居場所になってくれるんでしょう?」
私は今でも上手く居場所を見つける術がわからないけれど、
君がそう言ってくれるなら、それだけでいいような気がしてしまう。
「…うん、夢空がそう望むなら。」
微笑んだ私に、目を見開いていた琉空がいつもみたいにまたあたたかく笑ってくれた。
そんな姿に、心まで癒されて、軽くなるのを感じる。
「琉空」
「ん?」
「ありがとう。」
キョトンとした琉空にお礼を言うと、再びびっくりした顔をされる。
ありがとうって言っただけでそんな驚かれるって不本意だ。
若干照れくさくなりながら、そう心の中で八つ当たりしてると、
まるで私の絵の中に咲いている花のように満面の笑顔を咲かせた琉空が目に入って。
……だから、私にそういう笑顔を向けるのは、ずるいと思う。
「嬉しい、ありがとう、夢空。」
「なんで琉空がお礼言うの、今私が言ったばっかりなのに。」
「言いたかったから。」
ニコニコ笑う琉空を横目で見て、呆れたようにキャンバスに向かうけど、
ゆるまった口元だけはずっと上がったままだった。


