「夢空は?…一昨日からなんか変わった?」
「…結構、ていうかかなり。」
琉空の質問に苦笑いで答えた。
状況が変わったか、と言われたらすごく変わっただろう。
クラスの世界が変わったか、と言われたら何も変わってないけど。
「止めたよ、いじめ。友達ともそれきり。…ターゲットが渚沙から私に変わって、完全にクラスから私がいない存在みたい。」
乾いた笑いを浮かべてそう言うと、琉空が眉を下げたのがキャンバス越しの視界の隅で見える。
私よりも悲しんでる表情をなんで琉空が浮かべるの。
少し面白くなって、ふふ、と笑うと、なんで?って顔を逆に浮かべられた。
「大丈夫、琉空のせいじゃないよ。こうなるって分かってて決めたのは私だし、今こうなったことに後悔も何もないから。」
「でも…」
「私は、可哀想なんかじゃない。今の自分の方が前の私よりも好きだから。だから、私は大丈夫。」
動かしていた手を止めて琉空の目を見ながらそう言うと、何か言いたそうだけれど、うん、と頷いてくれてなんとか納得してくれたようだ。
悪口も言われるし、完全なる孤独だ、傷つかないわけじゃない。
…でも、変えようと動けた勇気が嬉しかったんだ。


