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『偽善者』『調子乗んな』
お昼休み、机の上に書かれた言葉を見て、何もせずにそのまま座る。
渚沙のいじめを止めた次の日の今日から、もう理緒の標的は私に変わったみたい。
クラスのみんなは遠目から私を見るだけで、誰も何も声をかけてくることはない。
顔を上げたら一瞬、前の席の彩と目が合ったけれどビクッと体を揺らして怯えるように前を向いてしまった。
…まあ、こんなもんだよね。
理緒から嫌がらせを受ける事も、夏芽と彩から無視される事も予想通りだ。
クラスのみんな、私の存在がないように振る舞って、本当に私だけこの世界にいないみたい。
…みんな理緒に従うのが当たり前のルールの中、抵抗する邪魔な色があったら、もっと分厚い色で塗り潰すしかないしね。
…まるで、見せしめみたいだな。
理緒がクスクスと笑う声が聞こえるけど、無視するように本を開いた。


