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緊張が私まで伝わってきそう。









…なんて、1番緊張しているのは私のような気もしてきた。








琉空が震える指で、意を決したようにインターホンを押す。










琉空から決意を聞いた日の週末にもう一回お母さんと話をすることになったみたいで、今お母さんが住んでいる部屋のインターホンを押したところだ。









「はーい、…いらっしゃい、待ってたわよ。」









椿さんがすぐにドアを開けてくれて、2人で軽く挨拶しながら中に入れてもらう。









「…百合は今リビングにいるから一緒に行きましょう。夢空ちゃんも遠慮せずに、ね。」









促されるまま椿さんに続いて、ドアを1つくぐるとリビングとダイニングが繋がった広い空間に百合さんがいた。








ローテーブルの上にアルバムのようなものが広げられていて、ソファに座っている。









入ってきた私達に気付いたのか、パッと笑顔を見せてくれた。









…やっぱり相変わらず、柔らかい雰囲気が琉空に似てるな。








なんて思っていると、琉空が隣でグッと拳を握ったのがわかる。








…頑張って。ちゃんと伝えてね。









「夢空ちゃん、ココア飲む?あ、そこのテーブルのとこに座っていいからね。」








「あ、ありがとうございます。」








椿さんが気を遣ってくれたのか私にそう声をかけてくれて、指差したダイニングのテーブルの椅子に座る。









それを確認して、リビングにいる百合さんに近い床に静かに琉空が座った。









「…はい、どうぞ。」








「ありがとうございます。」










コト、と音を立てて置かれたカップを受け取ると、水を打ったようにしんとした空気が続く。









…誰も何も喋れなくて、何を喋っていいかわからなくて。










でもその沈黙を破ったのは、百合さんだった。