「…ねえ、夢空。」







「ん?」








しばらく2人で夜空を見上げていると、琉空が私の名前を呼ぶ。








「…俺ね、もう一回母さんと会ってみる。…1週間ずっと1人で悩んで考えてまだ迷っていたけど、…今やっと夢空のおかげで整理がついたんだ。…もう一回母さんと会って、ちゃんと話をするよ。」










通った声で静かな空気へスッと溶けいった琉空の台詞が心へ落ちていく。









琉空の顔を見ると、綺麗すぎるくらいの横顔が目に映る。









でも、前みたいに曇っているわけじゃなくて、晴れやかな顔に見えた。









「…うん、応援するよ。」








「…ちゃんと言うことも全部全部決めてある。…でも、夢空が隣にいてくれるだけで勇気が出るんだ。…俺と一緒に来てくれる?」









琉空が放った提案に驚くように目を見張ると、無邪気に笑う琉空と目が合う。









そんなの、答えなんて決まりきってる。









「言ったでしょ、琉空のそばにいるって。」








「…それは頼もしいなあ。」









私が了解すると、嬉しそうに目尻を下げた琉空。









…琉空が考えて決めたことは、全力で応援する。









……だって、私の大切な人だから。










まるで降ってきそうなくらい綺麗な星空を見つめて、そんなことを思った。