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「…夢空、どこまで行くの?」
「んー…、もうちょっと。すぐ着くよ。」
少しずつ空が黒に染まって言っている中、琉空と家よりもずっと遠い場所へ向かって歩く。
少し小高い丘のような場所を踏みしめる。
結衣にも伝言は無事に頼めたし、いつも通り琉空と他愛ない話をしながら歩いていると目的地が目の前に迫っていた。
「……ふふ、琉空ありがとう付き合ってくれて。ここ、琉空に見せたかったの。」
「…ここ?」
芝生の丘の1番上で、立ち止まって琉空を見ると不思議そうに首を傾げられる。
…そう、ここがとっておきの場所。誰にも言ったことはなかったけど琉空にだけは見せたかったの。
「…上、見て。」
静かに私が呟いた通りに空を見上げた琉空が、息を吸い込んだのが分かった。
それを確認してから私も顔を上に向けた。
真っ暗闇の空を、たくさんの光が一面で輝く光景に相変わらず息を呑む。


