「…ねえ、夢空。」
「ん?何?」
「さっきから理緒がすっごい夢空のこと見てるんだけどなんかした?」
「…あんまり心当たりがないんだけど…」
まだ人探しでいい方法が見つかってないまま、3日が過ぎた今日。
10分休み中の彩の問いかけに首を傾げながらチラッと理緒を見ると、目が合ったにも関わらずすぐに慌てたように逸らされる。
…なんか、言いたいことでもあるのかな?
いつもハッキリ言いたいことをいうのに。理緒らしくない。
「ちょっと行ってくるね。」
「いってらっしゃーい。」
ヒラヒラ手を振る彩に一言だけ伝えて不思議に思いながらも理緒の元へ向かう。
私が近づいてきてるとわかった途端段々顔を俯かせていた。
私、なんかした?特に身に覚えがないんだけど…。
「…理緒、どうしたの?何か私に言いたいことでもある?」
理緒の席まで行って、顔を覗き込むと明らかに目が泳いだ。
分かりやすすぎでしょ…。
とりあえず理緒の反応から私に何かあるのはわかったけど、その何かがよく分かんない。
「言いたいことあるなら、言っていいよ?」
今更理緒に何を言われても驚く気がしないし。
少しだけ無防備に待っていると、どんどん顔を赤くさせた理緒がモジモジとし始める。
「…夢空っ、あ、えっと、なんかちょっと噂で聞いたっていうか、…今夢空が困ってるって!」
「…困ってる…?」
下を向きながら、話す理緒にまた頭にハテナマークが浮かぶ。
私が困ってるって、どういうこと…?


