【夢空side】








「夢空ー、テストどうだった?」








「んー、まあまあって感じかな。」








彩が振り返って聞いてきた質問に、煮え切らない返事をする。








「とか言ってー、90点以上なんでしょ?」







「うーん、どうでしょう?」







「絶対そうでしょ!許さん!!」








彩になんでよ、って笑いながら少しだけ安心した。









よかった、自分が課した点はなんとか超えられたみたいだ。









…琉空のこととかあってあんまり勉強に集中出来たか分からなかったから。









順位は、まだ出てないからわかんないけれど。









琉空と美術室で話した日から1週間が経って。









中間テストの翌日の今日は、クラス中がテストから解放されたのびのびとした空気と答案が返ってくる騒がしさでいっぱいだ。









部活も昨日の午後から再開されて、美術室で新しい絵の構想を考えたりもした。










…ただ琉空はこの1週間、明らかに私を避け続けていて。









同じ学年の割に廊下では鉢合わせなかったし、昨日は部活があるって知っていたはずなのに美術室に顔を出さなかった。









…私を拒絶してるってこと、だよね。










でも、私はこのまま諦めたくない。









届かないまま諦めるなんて嫌だ。










強く望めば変わるって琉空が言ったんだよ。









…そしたら、私は琉空が希望を捨てないことを強く、望む。







きっと何かは変わるって信じ続けたいんだ。