いつか来た公園まで走って辿り着くと、まだ学校の指定鞄を持った制服姿を見つける。









後ろ姿だけど、あれは琉空だ。










家に着いちゃっているかなって思ったけど、案外近くにいて、良かった。










「琉空っ!!」








泣き叫ぶように発した名前に、驚いたように振り向いた琉空に全力で抱きつく。










「言ってくれなきゃ、わかんないっ…!教えて、くれなきゃ、伝わらないよっ…!!」








「ちょ、ちょっと待って、夢空っ…どうしたのっ…!?」









戸惑うような琉空の声に、ふるふると首を振る。








ねえ、琉空誤魔化さないで。








答えて?









「…琉空、お母さんとお父さん、…っ、いない?」









少し掠れてしまった声で伝えると、琉空の体が一瞬ピキ、と固くなったのが腕越しに伝わる。










そのまま、堪忍したように脱力した。









「…ごめん、夢空、隠すつもりはなかったんだけど…、言えなかったんだ。…夢空の言う通り、いないよ。捨てられたんだ、昔に。」










その言葉に衝撃を受けて、ゆっくりゆっくり琉空の首に巻いていた腕を解く。









…澄んだ瞳と交わった視線はどうしようもなく泣きたくなるくらい切なくて、儚かった。