「でも、天川琉空って本当顔整ってるよね……、あれ渚沙って同じ小学校だったっけ?」
「琉空くんと?うん、私達の学校人数少なかったからずっと1クラスだったの。」
琉空と一緒ってことは、渚沙は西小か。
夏芽と彩、私、渚沙でそれぞれ学校が違うけど、もう中3にもなるとあんまり出身学校とか気にしなくなるなあ、なんて若干思う。
「やっぱさ、天川くらいかっこいいと親も綺麗なのかな!?見たことない?お母さんとかお父さんとか!」
「んー…、そういえば琉空くんの家の人、見たことないかも。授業参観とかも大抵忙しくて来れないみたいなこと、言ってた気がする。」
「えー?なんだ、残念。」
彩のハイテンションな疑問に、渚沙が少し考えるような顔をして答えると不服そうに声を漏らす。
…琉空の家の人、か…。
頭に浮かぶのはさっきの文章。
なんか、関係があるのかな?
「あー、でも私去年、天川琉空と同じクラスだったんだけど、三者懇談の時も親が忙しいってことで先生と二者懇談になってたと思う。」
夏芽が目線を上にあげながら思い出すように言う。
「ふうん、そんなに忙しい仕事なんだ〜…、大変そう。」
「まあ、忙しいほど充実してるんならいいじゃない。」
彩が少し眉を寄せて言った言葉に渚沙が優しげに笑うと、みんなが納得した雰囲気になる。
その中で、私だけが疑問を頭に巡らせていた。
…本当に琉空の親は仕事が、忙しいだけ?


