「はい、夢空ギリアウト〜!」







「ごめんっ…!ちょっと色々あって!」









グッと野球の審判が出すアウトポーズを彩にとられながらも謝ると、渚沙が「大丈夫だよ。」と言ってくれた。







完全に琉空といて時間忘れてた…。








「美術室、誰かいた?」








「あ、えっと、4組の天川琉空がいた。」







夏芽の質問にドキッとしながらも答えたら、途端にみんながニヤニヤしだす。








え、…な、なんでっ!?








「そっか〜!部活がない日まで夢空と美術室にいるのね〜!」








「夢空もあんなずば抜けてかっこいい人捕まえるなんてやるじゃん〜」








「ちがっ、そういうのじゃないから!」








彩と夏芽の冷やかしに、さっきのにやつきはそういうことか、と察して慌てて否定する。








琉空と私はお互いに夏芽達が想像しているような関係じゃないんだけど…。









「えー、そうかなあ?学年中、結構噂になっているのに。」







「うそでしょ…、全部根拠のない間違いだよ。」









歩きながら彩の言葉にガクッと肩を落とすと、渚沙がふふっと笑って私の顔を覗き込んでくる。









「でも私夢空ちゃん美人さんだからお似合いだと思うけどな?」







「…そんな可愛い顔してる渚沙に言われても説得力ないんですが。」








私の発言に驚いたのか、一瞬目をパチクリさせていたけどすぐに照れたように、やめてよって笑った。








…ていうかいつの間にかそんな噂が広まっていた、なんて。









女子の恋バナって怖い。