涙色の空をキミに。









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「夢空大丈夫?1人で持てる大きさ?」








「うん、それは大丈夫。」







「わかった、じゃあ校門の外で待ってるね。」







「ごめん、ありがと!」








夏芽達に手を合わせてお礼を言ったところで美術室まで走る。









テスト期間だから職員室に入るのは極力避けるようにしなきゃいけないから、美術の先生にあらかじめ言って鍵を開けておいてもらった。









階段を駆け下りて、美術室の扉を開けると、人影が見えて少しビクッとする。









…誰か、いる…?








不思議に思いながら美術室の中に入ると、ぶわっと空いていた窓から風が舞い込む。









反射的に瞑っていた目を開けると、いつもの席に座って机に突っ伏している琉空の姿が見えた。










「…琉空?寝てる?」









風が戯れるように琉空の柔らかい髪を弄んで、ペラペラと手元にあった手帳のようなもののページを踊らせるみたいにめくる。








当の本人は、目をしっかり閉じて穏やかに寝息を立てていた。










…今日部活ないのになんで美術室で寝てるんだろう。









湧き上がる疑問に首を傾げるも、とりあえず用事を済まそうと準備室からキャンパスを取り出す。









美術室まで持ってきたところで、琉空がピクッと体を揺らして起き上がったのが見えた。