涙色の空をキミに。










悶々と考えているうちに授業が始まっていて、慌てて教科書とノートを開く。









クラスのほとんどは塾に行っているけど、私は行ってないから1つ1つの授業を大切にしなきゃ。









先生が黒板に繰り広げる文字をノートに書いて、後で自分なりにもう一回まとめとこう。










「あ……。」








そう思いながら授業に臨んでいると、不意に美術室に昨日完成したキャンパスを置いていったのを思い出す。







そういえば昨日持ち帰るはずだったのに、いつもの癖で準備室に片付けちゃったんだ…。








今日こそちゃんと持ち帰らないと。









忘れないようにそう意気込む。








後で彩に、帰るとき絵を取りに行くから少し待ってて、って伝言頼もう。











そこまで考えてから切り替えるように、頭の中を先生の話に集中させた。