涙色の空をキミに。










「3年生のテストは入試に直結しやすい。特に1学期の中間は今年の成績の4分の1を占めてるから頑張るように。」








先生の言葉を頬杖をつきながらなんとなく耳に入れる。








5月下旬、中間テストに近くなった今日から学習強化週間に入って一切の部活動がなくなった。









耳が痛いくらいよく聞く先生のセリフに、はぁ…と小さくため息をついて、筆箱をいじる。








こういう話は嫌でも"受験生"を感じてしまう。









…私は、未来を決める選択をしなきゃいけない。








と言っても、何1つ決めてないんだけど。









なんとなく自分の学力的に行く高校は狙いをつけられそうだけど、なんかそれだけっていうのもなあ…。









みんな大体目星はつけてるのかな、と疑問に思って辺りを見渡すと、気力のない顔をしている人が多かったから、やっぱりまだみんな考えてないのか、なんて納得する。










琉空は、どうなんだろう…。










そういえば、部活がないなら美術室に行く理由もないしクラスも違うから、琉空との接点がない。










まあお互いに受験生なんだし1週間くらい勉強に集中するべきか。