「…そう。良かったね、夢空。…大丈夫、夢空はこれからも愛されるよ。」









全部の用意が終わって振り向くと、琉空が目を少し細めながら透き通るような瞳で私を見ていた。










…やっぱり、私がここまで変われたのも、周りを変えられたのも琉空のおかげだ。









「……琉空が困ってたら、苦しんでたら、私が助ける。」









ポツリ、と不意に呟いていた言葉に、琉空は目を見開いたけどすぐに「なにそれ」って笑われた。









「うん、じゃあいざとなったら夢空を頼ろう。」







「任せて。」





「ふはっ…!やる気満々じゃん!」








真剣に言ったつもりなのに、声を出して琉空が笑うから少しふくれる。








そこまで笑わなくてもいいじゃん、結構本気なのに!









「っ、ごめんごめん、でもそう言ってくれただけで嬉しい、ありがとね。」








「っ…、もういい!絵描くから静かにしてて!」








若干まだ笑いを堪えきれてない琉空を無視してキャンパスの前に座ると、"ごめんごめん"なんて明るい声が聞こえる。









…でも、琉空を助けたいって言うのは本当。









君が私の手を引っ張りあげてくれたように。









「謝る割には笑いすぎでしょ。」








「ん?ううん、怒る夢空珍しいから新鮮だなあって」







「話が噛み合ってない!」








私がムッとした顔をすると、また笑い出す琉空に、はぁ…とため息をつく。








でも、琉空が楽しそうに笑うから、まあそれでもいいかな、なんて思ってしまった。