「え、小滝くんってまだ渚沙が好きなの!?」




「らしいよ。渚沙もずば抜けて可愛いからね〜…、あ、そういやうちの学年にもずば抜けてかっこいい人がいるらしいんだけど…」





「え、あ!なんか有名だよね!?」






なんか今日の会話入りづらい…。





誰が付き合っているとか、誰がかっこいいとかあまりまだよくわからなくて、





そういう手の話はどちらかと言ったら得意じゃないかもしれない。






なんて思いながら歩いていると少ししている間に分かれ道に入る。






「じゃあ、夢空また明日ね!」




「うん、また明日。」





夏芽と彩は同じ小学校出身だから方角が一緒だけど、私だけ違う道に進むから、ここで2人と分かれた。





美術部は朝練ないから1人で登校するんだけど、下校は毎日3人でしている。






別に3人が嫌なわけではないけれど、女の子特有のノリがどうも少し苦手で何となく疲れた。






1人で家までそう遠くない距離を重い足で歩く。






学校にいるのが好きって言えるわけじゃないけど、家にいるよりはずっといい。







どこかに寄り道してしまおうか、とも考えたけれど、中学生がもうすぐ暗くなる時間にフラフラしてたら確実に不審に思われる。






塾にも行ってないし、大体ここ周辺に寄り道できるような施設はない。





重い体を引きずりながら歩くといつの間にか白を基調とした一軒家の私の家の前で。






小さくため息をつきながらドアを開けた。