冬休みが終わり、新学期が始まると、私と入江先輩の噂はもう無くなっていた。
私にとって、ありがたい休みだったのかもしれない。
リク先輩から聞いて知っていたとはいえ、改めて驚いたのは、入江先輩が相当有名人だということ。
先輩と歩いていて、他校の生徒が何人も声をかけてきたりする。
先輩の彼女になるヒトは優越感だろう……。
あ……
今、私がそうなんだっけ……?
それくらい私には実感がなかった。
優越感なんてこれっぽっちも無かった……。
そんなもの、欲しいなんて思いもしない……。
こんな不本意なことを受け入れなければいけないなんて____……。