「Let’s talk under the roes bush
ー薔薇の下で話そうー

From the one that loves you
ーあなたを愛する者よりー」










「薔薇の下で話そう?どういう意味?
これは訳してもらっても、チンプンカンプンだわ」





私はぷくぅと頬を膨らませた。







くすっ



先生は私の顔を見て笑いながら、手紙を訳し始めた。






「”薔薇の下で話そう”か……。

これは、古いことわざで、”秘密にしておこう”って意味だな」







「秘密にしておこう?」






何をだろ?








「ふぅーん、よくわからんなぁ。
でも先生詳しいね」








「先生ですから」





サラッと答えた。









ぷっ……







「忘れてました」







「杏、おまえなぁ!」









嬉しい……。





またこうやって話せるなんて。





またこうやって



「杏」て、名前で呼んでもらえるなんて。










「手紙、ずいぶん貯まってるんだろ?
また持ってこいよ」







「うん!」







私は笑顔で返事をした。