学校に着くと、玄関は静まり返っていた。 少し開いた下駄箱。 片方だけ落ちた靴。 今まで、遅刻寸前の生徒が走り込んで来た様子がわかる。 カチャ 私は自分の下駄箱を開けた。 「?」 一度閉めて、もう一度開ける。 「ん?」 自分の下駄箱か再度、確認する。 2―B 篠田杏 うん、私の下駄箱に間違いないよね。 中には、缶の紅茶と一枚のメモらしきものが入っていた。