「あんまりいい話じゃなかっただろ?だからって俺のやってたことを正当化するわけじゃないけどな」



お弁当を食べ終えて聞かされた話は確かにあまりいいものではなかったし、多分亮輔さん自身もあまり話したかったことではないんだと思う。


それでも、話してくれた。それだけで彼に近づけたようなそんな気がしたんだ。



彼の話はこうだった。高校生になった彼は身長も伸び、顔もかなり整っているからとよく女の子から告白された。


最初は舞い上がって告白を受けて付き合ったけれどその彼女が自分のことを『連れて歩けるアクセサリー』と友達に自慢していたことを聞いてしまった。


それを同意してる女の子たち。
自分はアクセサリーなんだと。



「そこでさ、変に考えが捻くれてさ。女が俺のことをそうとしか思わないなら俺も遊んでやろうと思ったんだ。まあ若気の至りだよな。多分、カッコつけてたから花菜ちゃんに対してもそんな態度だったんだと思う。今更だけどごめんな。でもさ、中身を全く見てないのに好きだって言われてるんだと思うと好きだって言われてもちっとも響かなかった。だから長続きもしなかったし、大事もしなかった。本当、あの黒歴史だけは抹消してえな」



「な、何がきっかけで変わったんですか?」