ただ、君の隣にいたいだけ

えっ?あっ?す、すいませんと声を掛け、そそくさとその場に座る。本当、意地悪。もっと言い方あるじゃん。


太るとか見えないとかもっとオブラートに包んでくれたらいいのに。イライラしながら荷物を置いてペタンと横についた手。


なんだろう、ふとその手にあったかい温もりを感じた。



「な、何、やってるんですか?」



「シーッ。明海が起きるから。いいだろ?だって今日は俺たち夫婦なんだからさ」



私の手に重ねられた亮輔さんの手。離そうとするも逆に握られてしまった。なんで、私、この人とこんなところで手を繋いでるの?


ふと視線を感じて振り向くと2列くらい後ろにさっきの男子がいてなんだか私たちのほうをジッと見てるようなそんな気がした。



「あ、あの、は、離してくれませんか?み、みんなに見られてる気がするし、それにこんなとこで手を繋いでるなんて変ですよ。恥ずかしいし」



「花菜ちゃんは好きな人とあまりベタベタしたくないタイプ?」



「えっ?な、なんでですか?」



「俺はベタベタしたい。だから繋いでていい?」



「へっ?そ、それって・・・」



そ、それってわ、
私のこと好きってこと?