ただ、君の隣にいたいだけ

整理券を片手に席に戻るとやっぱり亮輔さんの膝に頭を乗せて明海が眠っていた。同級生の男子はそういや姿が見当たらないな。


でも、連絡先交換しなくて良くなったからよかった。



「整理券もらってきましたよ。56番でした。それにしても10人単位で撮るんですね」



「これだけの行列だからね。それでも56番なら早いほうだと思うよ。あっ、さっきのお友だちだけど見えにくいからって場所移動したみたいだよ」



ヤバイ、黒い羽根が見える気がする。この笑顔の下は実は真っ黒だったりするんじゃないの?それにさっきだってすごい話し方違ってたし。


本性、絶対に隠してるんだ。で、その本性はかなり腹黒とかに決まってる。



「座らないの?」



「な、なんでそんなこと言うんですか?」



「決まってるじゃん。花菜ちゃんが立ってると後ろが見えないからだよ」