ただ、君の隣にいたいだけ

電車に揺られて着いたショッピングセンターは開演時間、2時間前にも関わらず沢山の人で溢れていた。


まだかろうじての3列目を取れたけれど2時間も座って待っていなきゃいけないなんて信じられない。


靴を袋に入れて今度は明海を真ん中に座るとナイトレンジャーの主題歌が流れていた。明海はノリノリで口ずさんでるけれど私はもう限界。後2時間もあるなんて。



「あれ?もしかして相原じゃね?」



待ち時間何をして過ごそうかと考えているとポンと後ろから背中を叩かれた。振り向くとそこには中学のときの同級生の男子。名前はうろ覚えだけど確か同じ委員会だったような。



「久しぶりだな。お前、地元にいたんだ。誰かと連絡とか取ってたりするのか?ってかさ、連絡先教えてよ。またみんなで、集まったりしようぜ」


「えっ、あっ、う、うん」



チラリと彼の隣に目を向ける。明海と同じくらいの男の子がちょこんと座ってる。彼の子だよね?いいのかな?結婚、してるよね?


躊躇う私にズイッと乗り出し、片手にはスマホを手にしてる。まあ連絡先だけ交換して連絡は取らないっていう手もあるか。


うん、そうしよう。それならとりあえず角も立たないだろうしね。