ただ、君の隣にいたいだけ

青池線は15分に1本。時刻表を確認してこればよかった。ちょうど電車は行ったばかり。


しかも休憩室なんていいものはない。ベンチにみんなで座ることにした。なぜか明海と亮輔さんの間が私という並びで。



「かな、カメラでいっぱいとって」


「うん。明海のかっこいいところいっぱい撮るね」



電車が来るまで他愛のない話をする。と言っても明海がひたすらにナイトレンジャーの話をするだけ。やっぱり男の子はヒーローものが好きだな。



「あら、坊や。ママとパパとお出かけ?」



トンと隣に座った優しそうなおばあさんが明海に声を掛けてきた。慌てて否定しようとすると亮輔さんに止められ、首を横に振られた。


明海は楽しそうにおばあさんと会話を続けている。ショッピングセンターに行ってナイトレンジャーを見に行くんだなんてニコニコと。


こんなに可愛い明海を他人に預けて日曜日も返上して仕事なんてお姉ちゃん何、考えているの?



「・・・明海が可哀想」



零した言葉にハッとなり急いで口を覆う。明海に聞こえてないといいんだけど。チラリと明海に視線をやるとおばあさんとの会話にも夢中だった。


よかったと胸を撫で下ろしたのも束の間、少し声を低く亮輔さんが呟いた。