ただ、君の隣にいたいだけ

観覧車はあっという間に一周を終えて地上まではもう間近。亮輔さんの思いを聞いて離れたくない気持ちが強いけれどもうこれからはずっと近くにいられるんだ。仕事でもプライベートでもずっと。



それに亮輔さんを待っていたのは私だけじゃない。アクシーズのメンバーもみんな亮輔さんを待っていたんだもんね。観覧車が地上に着いて扉が開く。


下りようと立ち上がろうとした瞬間、腕を引かれた。



「係員さん、ごめん。俺たちもう一周乗ります」



扉が閉められてまた観覧車が上昇する。慌てふためく私を他所に楽しそうな亮輔さん。私だって一緒にいたいけどみんなが待ってるから打ち上げ行かなくちゃいけないのに。



「ごめん、ごめん。でもさ俺今、花菜ちゃんの隣にいたいんだ。だからあともう一周だけ二人でいよう」



観覧車の中でのキスなんてお決まりでなんだか照れくさいけれどこの観覧車から始まった私の初恋。途中、忘れたり、嫌いになったりもしたけれどそれ以上に好きになった。


この観覧車はもうすぐサヨナラしてしまうけれど私たちはこれからも同じ夢を目指して一緒に前に進む。結婚とヒーローショーをもっと多くの人に見てもらうために。



そしていつかたくさんの人に胸を張って言いたい。私の彼は夢を子供たちに与えるヒーローショーのスーツアクターだって。



《おわり》