ただ、君の隣にいたいだけ

「花菜ちゃんと二人っきりになりたい」

打ち上げには絶対に参加することを条件に亮輔さんは私を観覧車に連れてきた。乗るのはもちろん、ウサギの観覧車。ヒーローショーが最後だと言うのに余韻にも浸れないままお互いとりあえず乗ったもののぎこちないし、気まずい。


まだシャワーも浴びてないから近づくことは避けたいけれど向かい合ったままただ、観覧車だけが昇っていく。



「・・・ごめんな、何も言わずに飛び出して行ったきりで。アクターのことで悩んでいたこともあったんだけどそれが解決してからも花菜ちゃんにはどう顔を合わせていいのか分からなかったんだ」


「・・・そう、だったんですか。あのまま何も言わずにやっぱり終わりにするつもりだったんですね」



「違うよ、それは違う。確かにあんな風に出て行ったから何を言っても本当信じてもらえないかもしれないけど、一度も花菜ちゃんと終わりにしようなんて考えたりしなかったよ」



「じゃあなんで、何で一度も連絡くれなかったんですか?私、もうあれが答えなんだって思ってました」



「俺、花菜ちゃんにストレスを与えているのが自分の言った言葉なんだって気づいたとき、本当にあの言葉を撤回しようと思った。でも、あの時に撤回出来るほど何の自信もなかった。でも、今ならちゃんと自信を持って言える。花菜ちゃん、あの告白撤回してほしい」



「それって、もう私は彼女じゃないってこと?」