ただ、君の隣にいたいだけ

どうせ、もう上京は決まっている。ならそれまではずっと本音をぶつけよう。夢を追い始めるときっとそれは本当にただの足枷にしかならない。


ならせめて今だけは、行かないで、離れないで。隣にいてほしいって伝えよう。やっぱり結局雁字搦めの私を救い出してくれるのは亮輔さんだ。



お腹に赤ちゃんはいなかったけれど、きっともう大丈夫。


それに私にはアクシーズがある。気持ちを切り替えて残り二回のファミリーパークでのヒーローショーを頑張るんだ。



「亮輔さん、取り乱してごめんなさい。落ち着きました。ご飯食べに行きましょうか」



私の声に一度は驚いた表情を見せた亮輔さんもクスクスと笑って今日は牛丼以外にしようかと立ち上がり、私にそっと手を差し出してくれた。


その手を取って立ち上がる。自己完結はきっと両想いの大きな壁。だからその壁を取り払ってもっと距離を縮めよう。



「私、辛ーいラーメン食べたいです」



とりあえずまずはここから。
一つずつわがままを言ってみようかな。



そして後日、ちゃんと薬を飲んだから無事に生理がやってきた。