ただ、君の隣にいたいだけ

あの時のナイトピンクのように軽々しく私を抱きかかえて亮輔さんは一段、一段と階段を上がっていく。どちらの部屋にしますか?と問いかけられ、思わず亮輔さんの部屋がいいと答えた私。



ドアを開けて亮輔さんが私を抱いたまま部屋に入る。そして、パタンとドアが閉まった。



夢中でしがみついていた。溺れないように。『花菜』と呼ばれるだけで高揚する。とにかく今だけはどんな距離も感じないようにピタリとただ亮輔さんにくっついていたい。


カチンと合わさるお互いのペンダントがなんだか気恥ずかしい。でも、刻み付けるこの瞬間を、温もりを甘い時間を。



「花菜、本当に愛してるよ」



離れていたってきっと大丈夫。このペンダントと亮輔さんの言葉があればきっとどんな辛いことも乗り越えられる。



そう、この時の私は何も不安なんて感じることもなく亮輔さんとのこれからに自信を持っていた。この後、とんでもない出来事が待ち受けているかも知らないまま。