ただ、君の隣にいたいだけ

さっきまで無理矢理抑えていたマイナス思考が亮輔さんをこっちに帰らせてしまった罪悪感で抑えられなくなってしまった。私のせいでって。


でも、亮輔さんは抱きしめた身体を離して両手をグッと私の肩に置いて真剣な眼差しを向けた。



「そんなこと、言うなよ。俺が、花菜ちゃんに会いたかったんだ。会って、抱きしめたかった。目を見て話したかった。花菜ちゃんは俺があんなこと言ったからいつも何も言わず送り出してくれてるけどもっとわがまま言ってくれていいんだ。どこか行こうとか何かを買ってあげるっていうのもまるで罪滅ぼしのような言い方しか出来なかったけどそんなんじゃなくて、花菜ちゃんに何かしてあげたかったんだ。もっとわがまま言ってほしい。でないと無理矢理我慢させてるのかもしれないと思ってしまう」



お店の前、人が通るかもしれないそんな場所。それなのに、周りの音も何も聞こえない。亮輔さんの言葉しか聞こえない。こんなに私はこの人に思われていたんだ。子どもみたいに自分だけが好きなんだって嫉妬して携帯の電源落として。


そんな私にわがままを言ってもいいなんてどこまで私は思われているんだろう。東京からわざわざ戻ってきてくれるほど亮輔さんに思われているのに不安ばかり募って本当、これからが本番なのに。




「亮輔さん、わがまま聞いてくれますか?」