ただ、君の隣にいたいだけ

お店は別に開けなくてもいいからねと言い残し、あっという間にお母さんは出て行ってしまった。はあ。こんなときに一人になんてなりたくないんだけどな。


とはいえお姉ちゃんのところにお世話になるのもな。まあ明海にも久しぶりに会いたいから明日は遊びに行こうかな。


ガランとした部屋の中、私だけ。今までどんなことがあってもお母さんは家にいたのにな。こうやってポツンと家の中に一人でいるとマイナス思考で潰れてたあの頃と同じようになってしまいそう。


どうせ、私は。私なんて、なんで私だけが。卑屈と妬みで身動き取れず外にも出られなかったあの時。もう戻りたくない。


首を振ってせめて動いていようと冷蔵庫とにらめっこして晩御飯の献立を考えながら洗濯物を畳んだり、無駄に部屋の掃除をして嫌な気持ちを吹き飛ばした。



なんだか無性に食べたくなって今日の晩御飯はお好み焼き。動いて軽くお昼寝もしたからもう夜の8時半。でも、結構お腹も空いてきた。キャベツを切って粉を混ぜて、山芋擦って。


自分のためのご馳走。引きこもりだったときはお菓子やパンばかり食べていたのにね。



「いただきます」



我ながら美味しそうに出来た。ふんわりしているし、食欲そそる。せめて音が欲しいとテレビを付けて作ったお好み焼きを口に運ぶ。うん、美味しい。